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───「痛っ」
家に帰宅後、私は膝の手当をしていた。
先程の逃げる時に転んだからだ。
私は元々不器用でどんくさい。
だから、けがをすることには慣れているが。
神社であったことを思い出すとまだ憂鬱だった。
悪い人ではなさそうだけど。
それに、あの目…
「その傷、痛そうだな。」
後ろで声がした。
振り返ると、さっきの男の人!
私のけがを後ろからのぞき込んでいる。
「ぎゃあああああ!!!!」
本物の悲鳴を上げるのは初めてだ。
ここ家の中!!
「な、な、なんで家の中に… 不審者!?」
そう言ってそいつを指さす私の腕は震えている。
私はさすがに怖くて、後ろにあとずさる。
鏡台にぶつかった。
私は振り返って、鏡を見る。
「え!?」
私の頭に鈍器で殴られたような衝撃が広がった。
なんと、後ろにいるはずのそいつは鏡に映っていなかったのだ。
目の前に確かにいるのに…
自然と窓ガラスにも目がいく。
だが、どこにも彼の姿は映っていなかった。
私は驚いて声が出なかった。
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