2 一蓮托生

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──朝の登校。 私の隣には誰もが羨むほどの美形の男。 髪はサラサラ。 スタイルもバツグン。着物を着ていて… ─そう、着物を着ていて… そして周りの人には見えていない…。 私は隣を歩くそいつの顔を盗み見ながら、昨日のことを振り返る。 あの後、彼は自分が真名羽神社に住む(居候)神であること、 暇だからしばらく私にご加護を与える(つきまとう)ということ、 これらを告げた後、姿を消した。 それはまさに瞬間移動のようで、まばたきをする間のことだった。 そして朝、玄関を開けると私を待っており、今に至る。 私は幽霊といった類いの人ではないものを見たことはなかった。 彼が人間でないことは確実だ。 だから、一晩経つと彼に興味が出てきてしまっていた。
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