1 巡り合わせ

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「ねえねえ! 花鈴はさあ、気になる人いないの?」 昼休み、そう笑顔聞いてきたのは、友達の志穂とまみ。 私は正直、 うわぁ、また恋バナ… と思ってしまう。 「いないよ~。」 私も顔をひきつらせつつも、笑顔で答えた。 「あんた、このままじゃシーラカンスじゃん。 がんばりなよ!」 志穂が私の背中をバシッと叩いた。 シーラカンスとは17才になっても、交際経験がない人のこと。 つまりは化石。 つまりは今のところの私! 「まあ、花鈴にはまだ早いかぁ~。 あんたにはお菓子と"あれ"で充分だもんね~」 まみが私の頭を撫でながら、言う。 「え、2人ともひどい。」 私は思いっきり顔をしかめてみせた。 ちなみに、2人とも彼氏持ちだ。 志穂はパッチリとした目にサラサラのロングヘアー。 まみの頬にはほんのりピンクのチーク。 ツインテールにした髪もくるんっとしていて、かわいい。 2人ともなんというか、おしゃれ女子! きっと毎朝時間をかけてセットしているのだろう。 それに比べ、私は地味顔。 髪の毛も普通のミディアムヘア。 特になにもしていない。 そういったおしゃれに興味も無かった。
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