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──学校からの帰り道、私は習慣のとある場所へと向かっていた。
まみの言っていた"あれ"の場所。
それは神社だ。
ここは真名羽神社といって、山の麓にある、とても大きい由緒正しき神社だ。
私はこの神社の規模の大きさにも関わらず、ひっそりとした慎み深い感じが好きだった。
もしかしたら、ここの神様がそんな神様なのかもしれない。
どこの神社でもそうかもしれないが、そこにいるとシャキッと背筋を正さなければならないような雰囲気が流れていた。
私にはその雰囲気好ましかった。
私が通う上倉高校から真名羽神社までは距離が近く、時間があれば、学校からの帰り道にこの神社に寄る。
それが私の習慣、趣味のようなものになっていた。
そこで、願い事や不満を口にする。
そうすることで、心の底にたまってく黒くて重たいものを吐き出し、いつもの私でいることができた。
苦しくてたまらなかったあの時、息をさせてくれたのは、神社だった。
私にとって神社は大切な場所だ。
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