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その言葉を聞いて、私はダッシュで璃世の部屋へと走って向かう。
「璃世!入るわよ!」
急いでドンドンとノックをすると返事も聞かずにドアノブを捻る。
「え?」
が、ドアはガンッと鈍い音を立てるだけで開いてくれない。
ドアノブが空しく上下に動くだけ。
「部屋に何で勝手に鍵掛けてるの!?」
「私だってお年頃の女の子よ?勝手に入ったら許さないから」
部屋の向こうに向かって叫ぶと中から返事は返ってきたが、やはり素っ気無い態度で私は更に不安に襲われる。
「そうだよ、ひよ。璃世もお年頃なんだから」
その時、夫の暁君がやってきた。
「俺も一緒だったから分かるよ?」
私は笑顔でサラリと言った暁君に血の気が引いていく。
俺も一緒ってところが益々怖い。
それに璃世は茶色がかった髪の色、鼻や目や口のパーツも、何を考えているかさっぱり掴めない中身とか、完全に暁君の生き写し。
私に似ているのは肩の下まで伸びている髪くらいだから。
でもまだSEC〇Mマークが付いてないだけマシなのか……。
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