潜入捜査官 小暮翔人

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老夫婦がそのまま体験入居の予約をとり、満面の笑みで席を立つのを送り出してから、翔人はAIにトイレに行くと告げてブースを離れた。モールの端、バックヤードへの扉付近まで来てから本部の美優に連絡を入れた。 「『安らぎの森』の件だけど。パンフやネットには載ってないけど、利用者の資産管理や運用もAIがしてんだ。そこで利用者の資産をパクってるんじゃねーかな」 美優は頷くと「わかった、『安らぎの森』の運用履歴を調べてみる。AIへのクラッキングは難航してるけど、そっちならいけるかも」と早速手を動かし始めた。 「ところで、カオリさんとは接触できた? 最近、いよいよ連絡がなくなってて」 「それっぽいヤツにはまだ会ってねーな。名前の他に、何か特徴ねーの?」 「うーん。女性。たぶん強そうな感じだと思う」 「なんだそれ」
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