暁君の婚約者!?

10/44
前へ
/206ページ
次へ
  「ひよ、今日の朝はどうして居なかったの?」 大学の門を入ってすぐにやっぱり現れた暁君。 「……ちょっと不安なことがあって……」 私はわざと落ち込んだ顔を作る。 すると暁君は心配そうな顔になる。 「どうしたの?何があったの?」 私の顔を心配そうな顔で覗き込む暁君。 そろそろ牧村さん、お願いします。 「あーきら」 と思ったところに牧村さんの声。 ナイスタイミング。 「え?」 声の方へと振り向いた暁君は一瞬ハッとした顔を作る。 それも演技でしょ? 私は騙されないよ! 「久しぶり、暁。婚約者の私を忘れたとは言わせないよ?」 「君のことを忘れるわけ無いよ」 牧村さんに言われると、笑顔で返した暁君。 成る程、そうやって私を苛々させる作戦だったのね。
/206ページ

最初のコメントを投稿しよう!

690人が本棚に入れています
本棚に追加