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「ひよ、今日の朝はどうして居なかったの?」
大学の門を入ってすぐにやっぱり現れた暁君。
「……ちょっと不安なことがあって……」
私はわざと落ち込んだ顔を作る。
すると暁君は心配そうな顔になる。
「どうしたの?何があったの?」
私の顔を心配そうな顔で覗き込む暁君。
そろそろ牧村さん、お願いします。
「あーきら」
と思ったところに牧村さんの声。
ナイスタイミング。
「え?」
声の方へと振り向いた暁君は一瞬ハッとした顔を作る。
それも演技でしょ?
私は騙されないよ!
「久しぶり、暁。婚約者の私を忘れたとは言わせないよ?」
「君のことを忘れるわけ無いよ」
牧村さんに言われると、笑顔で返した暁君。
成る程、そうやって私を苛々させる作戦だったのね。
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