過去

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全てが終わったあと、ゆっくり身体を起こし、散らばった服を身につける。 自分でも驚くくらいとても冷静だった。 「送るよ」 後ろから聞こえる声に、反応することすら出来なかった。 放心状態のまま、どうやって家に帰ってきたかも覚えてない。 ただ、部屋に入った瞬間、溢れ出す涙。 何が切れたかのように、その日はずっと泣いていた。 泣いて泣いて、また泣いての繰り返し。 涙を止めることなんて出来なかった。 それから、一週間私は学校を休んだ。 学校に行きたくなくて。 圭吾の顔を見たくなくて。 二年生の間はほぼ保健室か図書室で過ごしていた。 三年生になって、クラスが変わると私は少しずつ教室に行けるようになった。 元のクラスだった子が、口々に心配したと言ってくれて、それがとても嬉しかった。 そして、新学期を迎えてすぐ二週間と少し経った頃。 圭吾が退学したことを知った。
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