過去

32/33
前へ
/33ページ
次へ
「だから、なるべく触れるのやめようって。でも、好きだから一度触れると歯止めが利かなくなる。」 「うん…」 「だから、なるべく近づかないようにしてた。でも、それでそんなに思いつめさせちゃったなら謝るよ。ごめん。昨日一緒にいた子も本当にただの友達だから…」 「うん…分かった」 彼には、友達がいっぱいいるんだ。それは、付き合う前から分かっていたこと。 「それに、受け止めてるよ?愛海の心の傷。だから、ゆっくりでいいんだよ?愛海のペースでいこう?」 「ん…」 その言葉を聞くと、溢れるものが再びこみ上げてきた。 私、輝と出会ってから泣き虫になった。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加