小さな花と猫の旅

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 艶のある褐色の肌が、汗に濡れて怪しく光る。 安宿の部屋は薄暗い。電気などついていなくて、ランプの揺れる光が自分の上で腰を振る男の体の輪郭を映す。細身ながらも引き締まった肉体は、綺麗な曲線を暗闇に映し、一枚の絵画を見ているようだ。しかし、それが生身のモノであるとフィオレオはすぐに思い出した。 「くっ ――― 」 きつい締め付けに眉を寄せて、フィオレオが呻くと情欲に濡れた切れ長の瞳が満足げに弧を描いた。 「はぁ、んんっもう、いいぜ?はやく出しちゃえよ?あぅ、ンっ!」 腰を振る男 ―― ガットは、薄い壁などお構いなしに甘い声を上げてフィオレオを煽る。せめてガットが達してからと思い、自分の腹の上でペチペチと音を立てながら揺れている立派な雄を掴み、先走りで粘つく先端を親指で優しく擦ってやる。すると、ビクンッと背を反らして、フィオレオの肉棒を一層きつく締め上げた。 「ひぁあっっ!!あ、あっそこ、好きっいい、もっと擦っ、て … っフィオ、んんんん ―― っ!!」 「っっ!!」 気持ちよさそうにガクガクと腰をさらに激しく振りながら、フィオレオの手の中で勢いよく射精すると、それに合わせてガットの中でフィオレオも吐精した。
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