小さな花と猫の旅

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 ハアハアと荒い息のままガットが倒れ込む。優しくフィオレオはガットの体を抱き留めるものの、ガットとは違い真っ白で筋肉の薄い体には、弛緩したガットがとても重く感じて、思わず「ヴッ」と呻いてしまった。  暫く快楽の余韻で動けずにいると、ガットの左手首に装着されていた腕時計のような機械からピピッと電子音が鳴り、「回復しました」と抑揚のない声が聞こえた。それと同時に、ガットの背中に刻まれていた複数の切り傷がすっと消えていった。 「良かったぁ!綺麗に消えましたね」 フィオレオが安堵したように息を吐いて、ガットの背中を撫でながら声を上げた。 「ん?あぁ、そりゃ、こんなたっぷり注がれればな?」 乱れた黒の前髪を後ろに撫でつけながら、まだ中にいるフィオレオの肉棒をガットがわざと締め付け、ニヤリと笑った。 「うあっ!?ちょちょちょっと、もう回復されたんですから!」 「はぁ?別に俺は、回復関係なくやりてぇだけだし?」 そう良いながら引き締まった尻をゆるゆると動かして、フィオレオの唇をざらついた舌でガットが舐める。たっぷりの精液で濡れて湿った肉壁は柔らかく、萎えたはずのフィオレオはすぐに硬さを取り戻した。 「もうちょっと、付き合えよ?」 「え、あ、ちょっ待って、これ以上は私の方が倒れ ―― 」 「大丈夫だろ?魔法協会は近くなんだし、すぐ回復させてもらえるだろ、っん」 「えぇ?!嫌ですよ!また貴方に担がれて行くなん、てっ!うっ!ガット ――― !!」 フィオレオの叫びも空しく、夜が明けるまでガットは腰を振り続けていた。
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