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俺はご飯を3回もお代わりして、動けなくなるほど食べた。満足感を覚えてソファーにぼすっと沈み込むと、いつの間にかまた眠っていた。
夜になると、俺が帰ってきて、再び目が覚めた。
「ただいまー」
「お、お帰り、なさい」
「夕飯買ってきたぞー。から揚げ丼、きんぴらごぼうつき。好きだろ?」
好きだ。しかもハッスル弁当のから揚げ丼は海苔が多くて美味いのだ。それにきんぴらは子供の頃から好物だ。
「あい、お待たせー」
レンチンしたどんぶりが俺の前に置かれた。もう一人の俺も同じものを食べている。
「……美味い」
「美味いよなーこれ」
「海苔が美味いんだ」
「それな!」
「きんぴらもピリ辛でいいんだよな」
「白ごまも効いてる」
食事について、誰かと美味しさを共有するというのが、こんなに楽しいものだったか。もう何年も忘れていた。
「取り敢えず今週は俺が出社するから。それからは無理しない程度にお前も出社したほうがいい。あんまり休みすぎるとかえって良くないからな。休むのも働くのもほどほどに限る」
「分かった」
もうすっかり素直にやつの言われるがままだ。だって、仕事も肩代わりしてくれて、食事も用意してくれて、体調も気遣ってくれる。
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