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「な、何して……!」
「君が悪いのは心臓。君は彼らの中で一番最後に……なのに君は取り乱す所か、僕を一言も責める事もなく、その心臓を貫かれて逝った。僕の一番大切な、幼馴染みで妻でもあった君は」
「え……? つ、妻って……」
「会いたかったよ、ずっと。生まれ変わった今でも僕は、変わらず君を愛してる。だから、僕の心臓を君に……君はもう、何処へでも飛べるよ。それを最後に、僕の贖罪は完遂する……」
言い終わらない内に、彼の左手が力無く落ちていく。
私は慌ててその手を必死に拾い上げた。
「私も……私も好きだよ幸一。大好きだからお願い、これからも一緒にいて。幸一がいないと、私一人で幸せになんてなれない」
「ありがとう……僕の所にもサンタは来てくれたね。その言葉……僕にとって最高のプレゼントだ」
そう言って笑顔を浮かべ、静かに目を閉じる。
幸一はそれきり喋らなくなった。
私は必死になって彼にしがみつくと、部屋中に響く声で天に向かって叫んだ。
「神様、幸一を連れて行かないで! こんなプレゼントなら私はいらない! 幸一がいなくなるくらいなら、私を消しちゃってよ! お願いだから、もうこれ以上彼を苦しめないで……!」
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