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「他に女の子って…?」
「とぼけなくていいよ。今日、輝から甘ったるい香水の香りしたもん。私、香水付けないし私じゃない他の女の子と一緒にいたんでしょ?」
「はぁ?全然意味わかんないんだけど」
輝は少し怒ったような表情で、『意味わからない』と繰り返している。
私の方こそ輝の言動が意味わからない。
だって、確かにした。輝から甘い香りが。
それなのに、「意味わからない」なんて嘘を吐くなんて信じられない。
「もういいよ。分かった。」
「何が分かったんだよ?」
「意味わからないってしらばっくれるつもりなんでしょ?」
「はぁ?意味わかんねぇもんは分かんねぇんだよ」
「だから、したの!甘い香り!香りが移る程近づいた女の子がいるんでしょ?」
私がそういうと、輝ははっとした表情になった。
「あ…そう言えば…後輩の女の子がきつい香水つけてた…」
「ほらね、やっぱりそうじゃん」
「でも、何にもしてないよ!相手が酔って一回抱き着かれたけど、それくらいだよ」
「……抱き着かれたんだ」
「いや、今日は部の飲み会で…。それに、相手が勝手にしたことで、不可抗力だったし…」
「そっか。それなら、仕方ないね…」
私はそういうと、彼から離れてベッドの上に座り込んだ。
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