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嘘だと思いたい。
輝に限ってそんなことするはずない。
しかし、甘い香水の香りが彼を包み込んでいる。
私は普段香水をつけない。だからこそ、独特の甘ったるい香りが鼻につく。
嘘だよね…。輝…。
ズキンと胸が痛くなる。
言いたいことはたくさんあるのに、私は何も言えなかった。
リビングに入っていく彼の後ろ姿を見つめることしかできない。
輝はまだ24歳だ。まだまだこれから。
しかも、結婚した妻にはほとんど触れてこない。
それじゃあ、高まる気持ちを抑えるのも難しいだろう。
でも…。悲しい…。
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