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「何?」
少し不機嫌そうな、低い声。
私はそんな輝に屈しないように、精一杯声を振り絞った。
「今日…一緒にベッド入りたい…」
最近、輝は私が寝付いた後にベッドに入る。
いつも、私がベッドに入った後に私の様子を伺ってからベッドに入るのだ。
だから、「おやすみ」の言葉も言えないままベッドに入ることがほとんどだった。
今日だけは、一緒に寝たかった。
久しぶりに輝の温もりに包まれたかった。
「悪いけど、忙しいから無理」
しかし、輝から帰ってきた言葉はあまりにも残酷で、私の小さな賭けは簡単に打ち砕かれてしまった。
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