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途端に涙が溢れてくる。
輝はもう、こちらを向いていない。
「ごめんね。忙しいのに…おやすみ」
私の言葉に、輝は何の反応も示さなかった。
もう、無理だと思った。
泣いていることを気づかれないように、輝の部屋を出た。
そして、隣のベッドルームに入る。
すると、涙の勢いは一気に増した。
輝が好き。
圭吾のことがあってから、誰かを好きになることはいけないことだと思っていた。
そして、男の人は怖いと思っていた。
しかし、輝に出会ってその気持ちは大きく変わった。
あの素敵な笑顔は私を虜にした。
けれど、時が経つにつれ、彼は変わってしまった。
あの時の、輝の面影は今はもうどこにもなかった。
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