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「だから、いいよ…?しよう?」
輝の腕を掴んで、ゆっくり唇を重ねる。
初めて自分からしたキス。
輝の唇は柔らかくて吸い付くように潤っていた。
「ねぇ、輝。優しい輝に戻ってよ…。寂しいよ…」
角度を変えて何度もキスを繰り返す。
お願い。輝…。もう拒まないから。違う人のところへ行っちゃ嫌だよ…。
数回キスを繰り返していると、私の肩に輝は手を置いてぐっと私を自分から引き離した。
「ごめん…」
そして、その言葉と共に、強く抱きしめられた。
「愛海がそんなに辛い思いしてるなんて、知らなかったから…。俺、冷たかった?」
「付き合って半年たってから、変わっちゃったよね…輝」
「そうか?」
「あの頃から、徐々に冷たいよ…」
「ごめんな…」
「いいよ。拒んできた私が悪いんだし…。冷たくなるのも、他に女の子がいるのも仕方ないって思うよ。でも…やっぱり私だけを見てほしいなって思っちゃうんだよね」
私がそういうと、輝は何を言っているのか分からないといった表情で私を見ていた。
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