ヒストリック・ガールズ

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 家の前に、大きなSUVが滑り込んだ。  その屋根に、銃火が瞬いた。  これもバルカンだと思う。  SUVから何人か飛びだした。  皆、目の前の人と同じようなアーマーを着ている。  そして、私の家に飛び込んだ。 「だ、誰よ! 勝手に上り込んで! 」  それに答えたのは、無線機越しの、美少女っぽい涼やかな声だ。 『あなたのお友達では? 』  その声は、本当に意外なことが起こった。と思っているようで。 「あんな人たちは知らないわ」  でも、画面の中の人々は勝手を知り尽くしたように動く。  大きなライフルを持った二人組は……背中からジェットを噴射して、屋根に陣取る。  畑のある裏山にも、店の中にも広がる。 『では、私は? 』  次の瞬間、目の前に空間から、しみ出すように小さな人が現れた。  立体映像というやつ。 「あなた、誰?!」 『やはり、ご存じありませんか』  現れたのは、アイドルにもなれそうな美少女だった。  腰まで届くまっすぐな黒髪。  同い年だろうけど、頭身が高くて、とても大人びた体つき。 『久 編美と申します』  でもその姿は、変わっていった。 『私の事は、オウルロードとお呼びください』  全身は西洋風の、きらめく銀色のヨロイ。  背中には、取のような大きな羽。  カブトは、大きな目玉と平らな顔、小さいくちばしを持つ、フクロウの顔を模していた。
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