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オウルロードが賛同した。
『そうですドラゴンメイド! 勝手に部隊を動かすなんて』
オウルロードも激高して見せる。
『交戦規定は満たしているのですか!?』
ドラゴンメイドと呼ばれたのは、目の前の人だった。
すぐに答えた。
ヘルメットを外すことで。
『これでいい?』
中から現れた顔に、私は息が止まるかと思った。
それは、無線機越しの会議室にいた人たちにとっても、そうだったんだろう。
『あっ! あれを!』
いくつも驚きの声が重なる。
『ああー!!!』
現れたのは、ドラゴンメイドの素顔。
それは、かつて日本を、世界を席巻した顔。
寝不足でもないのに、生まれつき赤い大きな目。
整った鼻筋。
ちょこんと小さな唇。
私にそっくりだったから。
ベリーショートな髪が赤いのまで同じ。だけど、なぜか猫耳が生えてる。
身長145センチ。
アーマーの下は、やせた体形だろう。
これも同じ。
でも、重さは分からない。
さっき私をつかんだ手。
ものすごく重かった……。
『私は真脇 達美。
月並みだけど、初めまして。
もう一人の私』
そう言うドラゴンメイドは、たしかに緊張した自分の顔だった。
「月並み? こんなことが他にもあるの?」
『たまにね』
ドラゴンメイドは、そう言って自分のほおをふれた。
『いいなぁ。人間の自分』
また、わけが分からないことを言われた。
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