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ある冬の夜、
俺は雪女と出会った。
それから俺の人生は一変した。
いや、
一変と言えば大げさすぎる。
俺の人生はそこまでドラマチックでも豪華でもないし、
そんな出来事が降りかかることもない、
はずだった。
だが、
あの日、
あの雪の日、
俺の人生は確かに変わった。
それだけは確かだ。
俺は今、
どこにでもありそうな、
ささやかな、
けれどかけがえのない幸せを手にしている。
だだし、
ある条件付きで。
これはそんな俺と雪女との冷たくて温かい、
平凡な人生の物語だ。
俺の暮らすこの東北の田舎には
昔から雪女の言い伝えがあった。
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