【違和感】

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「みなさん、お忙しい中お集りいただいてありがとうございます。今年度、クリスマス会の担当をする森田涼子です」  年長担任のりょうこ先生が一礼し、続いてきょう先生が「西下恭兵です。宜しくお願いします」と続ける。 「えぇとクリスマス会についてなんですけど、クリスマス会に子供たちに配るプレゼントの手配を各学年の役員のお母さまにお願いしたいと思います。当日は平日なんで、自由参観という形になるんですけど、お母さんたちにはサンタさんの補助とお手伝いとしてプレゼントを渡す係をお願いしていること、子供たちが歌を歌う場面もありますので、お仕事忙しい中アレなんですけど、ぜひ来てもらいたいです」  きょう先生の言葉に、自分を含めた役員の母親たちは手元の資料を見ながらうんうんと小さく頷く。  資料には、12月15日にクリスマス会が各保育室で9時から行われるということ、9時30分に年少クラス、45分に年中、年長が10時、10時15分に1、2歳児を集めた遊戯室にそれぞれサンタさんが回ってくれるというスケジュールが記されている。  りょうこ先生が続ける。 「サンタさんが来るまでに、各クラスそれぞれ歌の発表を行います。時間をズラしているので、兄弟関係のお母さま方は年少クラスから順に回っていただければと思います。プレゼントの予算なのですが―……」
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