もう一人の俺

4/6
前へ
/14ページ
次へ
 しかし、真正面から技を打ったところで、躱されるかガードされ、斬られて終わりだろう。  俺は必殺技ゲージがマックスになるまで、その場で待った。 「どこだー! くそー!」  水菜は闇雲に木を斬りまくっていた。  何をやってるんだ。あいつは。  環境破壊は楽しいゾイ! ってか?  まぁ、いい。  作戦は考えた。  だがこの魔法をうまく発動させることはできるのだろうか?  いや、やってみないとわからないか。  俺は天に望みを賭けようと空を見上げた。  二匹のカラスが並んで空を飛んでいた。 「シャドークローン」  ポンともう一人の俺が現れた。 「お前が囮になれ」  俺は俺に指示をだした。 「いやいや、お前が囮になれ」  俺が偉そうに指示を出してきたので、俺は言い返した。 「ジャーンケーンポン!」「ジャーンケーンポン!」  俺はグーを出した。  俺はパーを出した。 「やりぃ! それじゃ、頼むぞ!」 「く、くっそ......」  俺はノコノコと水菜の元へ向かっていった。  水菜は辺りをキョロキョロと見渡している。 「水菜!」  俺は叫んだ。水菜が俺の場所に気がついた。  しかし、もう一人の俺の場所は気づいていないようだ。 「やっと見つけたぞ! ライジングブレード!」  バチバチと雷を纏った剣を使って、迫ってきた。 「フレイムボール!」     
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加