もう一人の俺

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「なら、次は俺に勝ってみろ。このゲームはやるから」 「え......いいの?」  水菜はキョトンとした顔をしている。 「まぁ......ただ、俺が勝ったものだから俺も使わせてもらうぞ! それとゲームは一日二時間、学校はちゃんと行くこと! 家事も手伝うこと! それは守れよ!」 「うん、ありがとう! お兄ちゃん!」  あっけらかんとした笑顔で水菜は礼を言った。  やれやれ。  俺はやはり水菜に甘すぎるのかもしれない。  水菜と対戦してから三ヶ月経過するが、あれからゲームは一日二時間の約束はちょいちょい破りやがるものの、今のところ学校はちゃんと行っており、家事も少しづつだが手伝うようになった。  俺は水菜と一緒に学校に向かった。 「昨日は、私の全勝だったね?」  優越感に浸りながら水菜は俺を煽ってくる。  悔しいがゲームのセンスは水菜が上のようだ。  俺は八割の確率で妹に負ける。 「き、昨日はたまたま調子が悪かっただけだ」  ふふっと笑うと、水菜は思い出したと言わんばかりにスマホを取り出してきた。 「そうだ! お兄ちゃん、これでてみない?」  水菜はスマホを使ってとあるサイトを見せてきた。 「リアルファイターズタッグ大会......?」
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