86人が本棚に入れています
本棚に追加
翌日、目覚めは最悪だった。
昨晩、私は先輩のことを考え過ぎてほとんど眠れなかったのだ。
学校、行きたくないな…。
もう支度しなくてはいけない時間だというのに、私はまだ部屋着から制服に着替えられないままでいた。
ベッドに座り、呆然とハンガーに掛かっている制服を見つめたまま時間だけが過ぎていた。
「桃子ー!何してるの遅刻よ!」
そのままぼーっとしていると、一階から私の部屋がある二階まで聞こえる程大きな声でお母さんが私を呼んだ。
その声に反射的に時計を見ると、時刻は既に七時を半分も過ぎたところだった。
仕方ない…。支度しよう。
仮病を使って、学校を休もうかと考えたが、私が今日休んだら春が心配してしまうかもしれないと思い、ゆっくりと私は部屋着から制服に着替えた。
最初のコメントを投稿しよう!