0人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は、目の前の風景を見て驚愕した。けむくじゃらの巨体の生き物達が10数頭、氷の湖の上で滑っていたのだ。
雪山に現れるというイエティか?本当に存在するんだな!
イエティは、3メートルほどの巨体で、白と茶が混ざった毛に全身が覆われている。その姿は、ゴリラと熊と犬を掛け合わせようだ。
1頭のイエティが俺の方に近づいてきた。顔は黒く、ゴリラに近い。するどいキバを持ち、恐ろしい表情をしている。『スターウォーズ』のチューバッカ並みにデカいが、チューバッカよりはるかに怖い。
「助けてくれ!俺は何もしてない!」
俺は必死にイエティに訴えた。しかし、イエティは俺の言うことは全く無視だ。人間の言葉が通じないのか?
イエティは、凍った湖の上にカゴごと俺を運んできた。よく見たら、湖のリンクの上には他にもカゴが4つあった。
俺を運んできたイエティが勢いよく、カゴごと俺を突き飛ばした!
俺をのせたカゴが湖の上を滑る!俺が乗ったカゴが他のカゴにぶつかり、他のカゴがはじき出された!
よく見たら、他のカゴにも手足縛られたオッサンが乗ってるじゃねえか!
俺は必死に呼びかけた。
「大丈夫ですか?あなたも捕まったんですか?」
だが、カゴの中のオッサンの表情を見て俺はその呼びかけが無意味であることに気づいた。
カゴの中のオッサンは死んでいる!凍死したんだ。イエティに捕まって寒さの中で身動きがとれず、そのまま死んでしまったのだろう。
もう3つのカゴもどうやら人が乗っているが、呼びかけても反応がない。
イエティどもは何やら話し合って言う騒いでる。この風景は!
そうだ、これはカーリングだ!人間をストーンに見立てた人間カーリング!
最初のコメントを投稿しよう!