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カゴの底がうまく滑るようにできてるんだ。カゴをぶつけてはじいて、よりサークルの中心にあるカゴがポイントになる。人間がやるカーリングと同じならそんな感じのルールだろう。
湖の上には薄くサークルが描かれている。イエティ、カーリングできるなんて器用だな!俺を投げたあのイエティはストーンを投げる役割にあたるスキップ担当だったのか!
「イエティジャパンじゃねえか!」
俺の虚しいツッコミが氷上に響く。
氷上の上には、俺を含めて5つのカゴがある。スキップ担当イエティによって、更にカゴが追加された。
新しいカゴにも人が乗っている。若者だ。縛られた手の片方に携帯カイロを握りしめながらぶるぶる震えている。まだ生きている!
「おーい!生きてるか!大丈夫かー!」
俺はカイロ青年に向かって頑張って呼びかけた。10メートルほど先のカゴの中からカイロ青年がこちらをちらっと見る。
「うう…なんだこれは悪夢か…うう…寒い寒い」
ああ、カイロを持ちながらぶるぶる震えている青年は今にも死にそうだ!
「気を確かに持てー!」
俺はカイロ青年を励ました。
その時、スキップイエティが、カイロ青年をカゴごと投げた!氷の湖の上を滑っていくカイロ青年!俺の右側をわずかにそれて、そのまま滑ってイエティが作るサークルの外に出た!
「ダバアアアアヨボオオオオオネベエエエエエ!」
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