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だがその後の事だった。
「……っ!」
場所がばれた……気付けば彼女の持つ刀の刃が首元に突きつけられていた。
「ロイ、これで終了よ」
「…………」
ロイ……と呼ばれた青年は目の前の女性に返す言葉が見つからなかった。
すると今まで明かりが中央の照明のみの部屋だったが、他の照明が付いて部屋全体が照らされる。
模擬戦終了の合図だ。
「あぁ~また負けたぁ~!」
ロイはその場で大の字に横になる。
彼の名前はロイ・アイワークス。
歴史を護る組織、『ヒストリア・ガーディアンズ』のメンバーで主に拳銃を武器としている。
対して、彼の相手をしていた女性はシャロン・バウンズ。
同組織のメンバーで、刀を武器としている。
「これで何敗目だ……?あぁ勝てねぇ畜生……っ!」
ロイは横になりながら左手の拳を地面に叩きつける。
一方、シャロンは刀を鞘に収めて、ロイを見下ろした。
「単純に経験の差よ。あんたいつも自主練とかサボってるでしょう。本当に勿体無い。銃の狙いとかは文句なしに秀でてるんだから、それを活かすような練習を少しでもすれば簡単に伸びるのに」
その言葉に対してロイは鼻であしらった。
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