観察者

■対象■

目玉焼きに塩コショウをして、トーストに乗せ、お茶を冷蔵庫から出す。
部屋のテーブルにそれを置いてその横に座る。

「いただきます。」
少女は両手を合わせて、小さくつぶやいた。

この「いただきます」については謎が多い。
食事の前に言う個体と言わない個体がいるらしい。
言ったり言わなかったりする個体も報告があり、食事以外でも使われることもある。
何のために唱えるのかについては依然として調査中だ。

この少女の特徴として、モノを食べるときに上を向く癖がある。
今も、目玉焼きをほおばる前に、上を向いて、目玉焼きを口に流し込んだ。

その時、少女のスマホが鳴った。