運命ならそれでいい

25/35
前へ
/45ページ
次へ
「やりにくいから、座って欲しい……」  覆い被さってキスするのは、難しいと、早々に諦めた彩は、そう言ってクッションを背にした僕の太ももに座って、安堵したように微笑んだ。 「これならいい――」  近い瞳、吐息が触れて、彩はまるで僕が壊れやすい少女に見えているようだ。くすぐったいとかまどろっこしいとか、そう感じる僕は、彩より即物的なのだろう。  唇が、柔らかい……。目が合うと、彩は本当に嬉しそうに微笑んだ。  ごめん、彩。鼻血でそう……。    清らかなものを見て、欲情してしまうのは、僕がまだ若いからだろうか。 「触れてるだけでいいの?」  もうこれだけで僕は達けると思いながら、いやそんなもったいないこと、と僕は彩を煽ってみた。 「雅は急ぎすぎ」  充分すぎるほどに待った僕にいう言葉ではないと思うけど、彩は可愛いなぁ。 「彩、ほらおいでよ」  口を開けて誘うと、彩は促されるまま、僕の舌に自分のものを絡ませた。 「んっ……」  吐息を飲み込み、彩の上げた声に僕はうかうかしていられない状況に陥る。  指先で、彩の開けて見える胸の突起を撫でた。  彩は、身体を震わせて僕を見つめながらもキスを続けた。止められないのをいいことに、僕は更に強く突起を人差し指でこねてみた。 「ふっ……あ」  僕の口の中を探っていた彩が声を上げるために顔を離した。どちらのものかもわからない唾液が線を描く。 「彩、僕もう我慢出来そうにないんだ」 「え? もう?」  彩にしたら、余程驚くべきことだったようだ。 「ごめんね、僕、もう苦しくて――」  パジャマのズボンもパンツも邪魔だし、痛いのだ。  彩を僕のもたれていたクッションに押し倒し、唇ではなく、先程触って確かめた突起に舌を這わした。 「え、ちょっ」  彩の戸惑いはわかるんだけど、このまま彩のペースでやっていたら、僕は三度くらい自爆しそうだ。 「あ……」 「可愛い」  乳首の刺激に彩は弱かったようで、気持ちよさそうに声を上げた姿に 思わず本音が漏れた。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

183人が本棚に入れています
本棚に追加