運命ならそれでいい

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 僕の舌を周り歯茎のところまで舐められると、ゾワゾワと背中が泡だった。  僕達は、双子特有の共感性があって、気持ちいいとか具合が悪いとか側にいればわかることがある。きっと僕の快感は、彩も拾っている。 「あっ、あ……っ」  唇を離した彩の胸に吸い付くと、のけぞるようにして白濁を上げ、僕と一緒に達ってくれた。飛んだ液体は、彩の胸と僕の顎に快感という絵を描いた。それを指でなぞると、彩は大きく震えた。息が上がって、もっとスマートに彩を導きたかったのに、それは初心者には無理な注文だったようだと自分を笑った。 「余裕だな、笑ってられるなんて――」  彩は同じように僕の顎にとんだものを手にとって、クスクスと笑った。 「彩も笑ってる――」 「だって、一緒に達けるとは思ってなかったから。僕、ちょっと早いのかな」 「僕がおっぱいを吸ったからだよ」 「おっぱい……。男でもおっぱいっていうのかな?」  彩は、どうも変なところが気になったみたいだ。別におっぱいだって、乳首だって、なんだっていいんだけれど。 「どうだろ……」 「今日は、もうこれでいいよね?」 「え……」  まさかの彩からの終了宣言に僕は、驚きを通り越して、怒りが溢れそうになった。 「だって、今日は満足したし……」 「僕のこれ見て言って?」  もう既に、次の準備は完了している僕のものに、彩は目を剥いた。 「……雅、病気じゃないよね?」  心配そうに呟いた彩にクラリと目眩がした。  その淡泊さはどこから……。可愛いけど、可愛いけど、僕達本当に双子だよね? これだけそっくりで何を言うって、彰に突っ込まれそうだけど、僕は彩の困ったような顔と僕の元気なそれを交互にみて盛大にため息を吐いたのだった。
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