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「あっ、あ、ビクビクしてる……」
「たまらない――、彩の中、温かくて気持ちよすぎ」
痛みじゃないけれど、身体の中にある異物感が凄くて、気が遠くなりそうだ。
「僕も、気持ちいい――」
多分これは、雅の気持ちよさが連鎖してる。
「別個だから、こうやって抱き合えるし。辛いときは、支えられるし、嬉しいときは一緒に喜べる」
「そっか。こうやって、彩を抱くことができるのも、僕が雅っていう個体だからだもんね」
一人の人間として生まれてきたら、僕はどんな人生を送ってきたのだろう。きっと寂しくてたまらない。雅がいてくれて本当に良かった。『生まれて、一番最初に出会ったのが、二人の運命だったんだろ』っていう彰の言葉が脳裏を過る。
ああ、その通りだ――。運命だ。僕達は別に生まれて、同化するように定められていたのだ。
「動いてもいい?」
「あ、んぅ。あ、あ、あああ」
変な声が、溢れるように口から出てくる。雅が引いた分だけ中が狭まって、それをまた拡げられて、永遠に繰り返されるんじゃないかと思ったけれど、多分まだ五分もたってない。
「やだ、雅、キスして――。声、抑えられない――」
「抑えなくていいのに。脳天にズンってくる。でもキス、したい」
キスしても声は抑えられなくて、零れるのは唾液というよりも僕の快感のかけらで。それを雅は嬉しそうに追いかける。
「ふっあ……、んんっ」
キスに夢中になりながらも、雅は僕の中をぐちゃぐちゃに蕩かした。僕のソレは、雅のお腹に擦られながらビクビクと震えて、雫を零していく。
「彩、彩、ごめん。僕もうっ」
間で揺れるソレに手を伸ばし、一緒に行こうと誘ってくる。
「あっ、……あ……」
雅のソレが歓喜に震え、僕の中を満たした。少し遅れて、僕も同じ波に乗った。
一瞬の快楽は、とてつもなく甘くて、痺れた。
声もなく、二人でベッドに沈み込んだ。
「彩、大好き――」
「僕も――、雅……」
握られた手とコツンと合わさった額は、汗にまみれていた。身体の熱さに反して、冷たくて心地よかった。
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