第三章

7/9
1157人が本棚に入れています
本棚に追加
/106ページ
 ふっ、と困ったように伊原が笑う。 「マキの、そういう色っぽい顔見るのも久しぶりだ」 「えっ……?」  今、自分はどんな顔をしていただろう?  伊原が指の動きを再開させたことで、すぐにそんな事を考える余裕はなくなった。 「んっ……んん」  伊原は槇が途中で根を上げそうになるほど丁寧にそこを解すと、猛々しく昂ぶったもので槇を貫いた。  ぽたりぽたり、と槇を組み敷いた伊原の身体から汗が滴り落ちる。激しく求められていると思うことで、快感がより深まる。伊原が自分を求めてくれることを、槇は幸福に感じた。
/106ページ

最初のコメントを投稿しよう!