第三章

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 呆然とそんな事を考えていると、伊原にぽつりと名を呼ばれた。 「なぁ、マキ……」 「なに?」 「これからも、昔みたいにまたこうやって会おうな」  ずきん、と胸が痛んだ。 ――伊原は 『昔みたいに』、また身体だけで繋がる関係を望んでいるんだ。  それでもいい。伊原がこんな身体のどこを気に入ってくれているのかはわからないけれど。たとえ身体だけでも自分を求めてくれるなら喜んで差し出そう。  槇は心の痛みを押し殺し、こくりと頷いた。伊原は嬉しそうに微笑み、槇を抱きしめた。
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