高二 九月  side狭山浩介

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「……なあ」 「…………」 「藤宮ってさ、双子の兄弟とか、同い年の男の親戚が居たりしない?」 「……一人っ子だし、親戚は年上ばっかだけど」 うんざりした声音に、流石に申し訳無くなる。 「あー…、変な事訊いて(わり)ぃ。知ってるヤツに似ててさ」 「……………このガッコウのヤツ?」 こっちを見ないまま溜息を吐いて、呟くように藤宮が尋ねた。 まあ、自分に似てるヤツが居たら、気になるよな。 「いや、けど大事な親友なんだ。あー…今頃何処居んだろなー……元気ならいんだけど」 「………やっぱ、変なヤツ」 前を向いたまま呟かれた言葉に苦笑して、高く蒼い空を見上げた。 初めて見た時、あいつが帰って来たと思って目が離せなかった。 別人と分かっても、もしかしたらと期待した。 ───戻って来る事なんて無いって、分かってるのに。
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