高二 九月

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棘を含んだ村山の言葉に、つい口から零れた。 村山が頷いて説明する。 「ああ。ウチの生徒会長だよ。ああやっていつも無表情で冷たい目しててさ、にこりとも笑わない。あれでも前はいつも笑顔で、皆に慕われてたんだぜ?ああなったのは前の書紀が辞めてからだな。山城のヤツ、それからあからさまに会長にべったりでさ。正直見てて気分いいもんじゃないよな」 「カズ」 べらべらと説明する村山を浩介が諌めるように眉を寄せて名前を呼んだ。 「まぁ俺達が生徒会に関わる事も無いけどな。クラスも違うし」 最後にそう笑って、村山が後ろから僕達の肩を組んだ。 途端。 酷い目眩と吐気に襲われ視界が歪む。 ずきずきと痛む頭にふらつく体で壁に寄り掛かり目を閉じる。 「光希?!具合悪いのか?」 慌てて伸ばされた浩介の手を、荒くなる呼吸を整えながら手で制した。 「…………大、丈夫……さわ、らな……で……」 失礼な言葉だと自覚はある。 だけどそう伝えるのが精一杯だった。 何か悟ったのか、浩介は静かに語り掛けて来た。 「取り敢えず保健室行こう。歩けるか?自分から触るのが平気なら、俺に掴まって」 「………ごめん……」 心配そうな顔の村山に謝り、浩介の肩を借りて第二保健室までゆっくりと歩いた。
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