高二 九月

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浩介が僕に向かって眉を下げて笑う。 村山も人懐こいけど、浩介もかなり人が良い。 こんな無愛想で派手な見た目の僕に、昨日からずっと笑い掛けてくれる。 それともそれは、大事な親友に僕が“似てる”から? ───大事な親友、か……。 そう云えば。 「………生徒会長が……嫌い、なの……?」 さっき廊下で見掛けた途端に顔を顰めた。 人当たりの良い彼にしては、随分冷たい瞳であの人を見ていた。嫌いと云うより、憎んでるとか恨んでると云った目だった。 「え……あ、いや…」 一瞬言葉に詰まり、浩介は苦笑して濁した。 久し振りの発作で少し距離感が可怪しくなってしまっている。 余計な話をするつもりは無かったのに。 息を吐いて、ゆっくりと瞬きをした。 「……送ってくれて、ありがとう……」 それだけ云って、目を閉じた。 「いや、ゆっくり休んでくれ。午後の授業出れないようなら先生に伝えとくけど」 「ありがとう。様子を見て僕の方から連絡入れるから気にしなくていいよ」 目を閉じたままの僕に変わって梶原先生が答えた。
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