高二 九月

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扉の開閉する音が聞こえて、暫くすると先生がボトルとコップを持って戻って来た。 「大分顔色は戻ったみたいだけど、具合はどう?」 「……もう、大丈夫です……すみません。編入早々迷惑掛けて」 ボトルとコップを近くのテーブルに置いて、僕の体を支えながら起こしてくれる。 そして先生は少し困ったように笑った。 「迷惑なんて思ってないし、その為に僕が此処に居るんでしょう?」 「我儘に付き合わせてしまって……」 苦笑して大袈裟に肩を竦めると先生は、僕の眉間を人差し指で軽く突付いた。 「こーら。だから迷惑なんて一言も云ってないでしょう?君はいつも気を使い過ぎ。子供は素直に大人に甘えてればいいの。ほら返事」 「………はい」 にっこりと笑うと持って来たコップにボトルの中身を注ぐ。それを僕に渡してまた先生は困ったように笑った。 「君が気に入ってくれた栄養満点の特製手作りジュース。……本当は三食ちゃんとした食事摂った方がいいんだけど、放っといたらまたヨーグルトとかで済ませちゃうでしょう?多めに作って来たから、持って帰りなさいね?」 苦笑して、コップに口を付けた。 食の細い僕の為に、果物や野菜など色んな物の入ったジュースを先生はこうやって時折用意してくれる。 飽きないように毎回少しずつ味を変えるのは大変だと思うのに、栄養学も勉強してる先生は元々料理は好きだから気にするなと笑う。
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