高一 七月 事変

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「要っ、僕が一体何を…」 「風紀を乱す者を、役員にはしておけない」 眼鏡の奥の瞳には嫌悪感を露わに、忌々しそうにそう告げる要。 「ねえっ、いっ君っ」 「気安く呼ばないでくれるかなあ」 汚いモノでも見るかのような目と、吐き捨てるような言葉。 「宏君っ、雄っ!」 「…………」 「…………」 汚らわしいとばかりに眉を寄せて唇を噛んで顔を背ける宏君と、険しい瞳でじっと僕を見据えるだけの雄。 「もう止めて下さいっ。 見苦しいです。皆貴方に裏切られて傷付いてるんです。僕だって…。 謝れなんて云いません。でもせめて、せめてこれ以上誤魔化すのは止めて下さい…っ、 これ以上皆を…っ、騙さないで…っ、傷付けないで……っ」 「…………結人(ゆいと)、君……?な、にを……」 高校からの外部入学で庶務の結人君が、きっと睨み付けながら発した言葉は途中で震え、大きな瞳からぼろぼろと涙を溢れさせた。 肩を震わせ嗚咽を堪えながら、隣りに立つ征樹のシャツをきゅっと掴む。 その光景に胸が軋んだ。
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