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「会ちょ、」
一歩踏み出した僕を、今まで一度だって見た事の無い凍り付くような瞳で征樹が睨み付けた。
そして。
「俺に近寄るな。穢らわしい」
濃い侮蔑の色を宿した冷たい瞳。
はっきりと告げられた、拒絶の言葉。
世界から全ての色が抜け落ち、心が一瞬で凍り付いた。
それでもまだ、信じてたんだ。
僕にとって特別で、暖かな居場所だったから。
きっと何か誤解があって、また皆で笑い合えるようになるって。
征樹が、前のように優しく微笑み掛けてくれるって。
本当の絶望は、これからだって事なんか知らなかったんだ。
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