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部屋の中はごちゃごちゃしていたが廃墟という雰囲気はなくむしろ人が住んでるのが一目瞭然な空間だった。
部屋の形はアパートのようで細い廊下の先に広めの部屋がある程度の部屋。
そんな部屋に漂う香りは生活感とは程遠い鼻につく薬品の匂いと鉄分の匂いだった。
「よかった、今は誰も客がいなかったから」
白皇はそう言うと扉の鍵を内側からしめ
「客がいるところに来たら大変だった…………あ、靴は脱がくていいよ。あぶないから」
部屋の奥へと歩を進める白皇に緋雨は恐る恐るついていく。
部屋の奥には部屋の半分を占めるほどの大きなベッドとそのベッドを囲うようにある少し黄ばんだ白いカーテン。
それは病院にあるベッドをそのまま狭い部屋に動かしたようなものだった。
そのベッドの横には無機質な机と所狭しと並ぶカルテや医学関係の本、その横には瓶が詰め込まれた棚と包帯やガーゼ注射器やメス等が隙間から見えているダンボールだらけだった。
「えっと……白皇さんここは」
流石に動揺している緋雨に白皇は椅子に腰掛け
「あぁ、ほら。僕は闇医者をしてるでしょ?ヤのつく人とか、そういう世間で言うヤバい人達の治療しててね、その診療所がここさ」
そこまで言うと白皇が座ったいすと対面してる丸椅子を指さした。
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