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白皇はその階段の前で止まり振り返ると
「この上が僕がここにいる時に寝泊まりしてる部屋なんだ。汚いけどここよりかはマシだし。普通にキッチンとかあるから落ち着くと思うよ。それに、この後患者が来るかもしれないから上に上がってた方がいい」
そう言って非常用梯子の方へと緋雨を手招きする。
緋雨はベランダの戸をガラガラと閉め、少し軋む非常用梯子へと手をかけゆっくりと登って行った。
「部屋に入るためのベランダの鍵はかかってないからそのまま開けて。あ、靴はベランダのとこで脱いでってね」
緋雨の足元からそう指示をする。
「わ、わかりました」
緋雨は言われるがまま返事をして非常用梯子を上り切る。
「テレビ見たかったら見てていいよー」
白皇のそんな言葉を背に先程と作りは変わらないベランダの戸を開けて中を覗いた。
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