魚はサバだった

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当たり前だが、人類は口からお食事をなさる。 病気の方々が胃ろうという手術で、胃にチューブでフードを直接流し込むようにするのは、聞いただけで痛々しいが、生命力をそこに感じないでもない微妙な事だ。 食事って……ああそうだ、日本在住の僕は思いつくだけで1000は下らない食品を食べてきた。 それらの食欲アップの一方途に弱肉強食があるが、動物と勝負をしたわけでもない僕が、食品になっているそれらを食らう事に至る迄の作業のそれぞれが、幾つかの社会の明確な恩恵なので、お食事はたとえ口からでない場合でも、食事として立派な社会学・生活の一部だと心して感謝しよう。 戦わずして勝つ、頼もしい方々がいらして既に弱肉強食なのだ、便乗というか。 この理論上の社会学では、僕は鯨にも綺麗に勝ったんだよ、少なくともそう思わせてくれる人間社会ていいな、ありがたいな。 まあ食料になるまではお料理にまつわる現場はむごたらしくて、否定的な人々もいらっしゃるわけだけど。 この間、テレビで豚の屠殺のドキュメントを見たんだ。 腹がバッサリ、血がドッピュー、首がゴロリン、舌がダラリ。 で、一緒に見ていた友人から、とある牧場の恐ろしい話しを聞いた。 その牧場では人間の受精卵から他生物の受精卵や種子(植物や魚や鶏や猫や兎や羊や山羊や猪や豚や牛や馬や鹿や熊や鯨など)を創り、更に成体に育て上げ、それらを食料や様々な有用物品に仕上げるって話。 受精卵の親が食したりするには、10年位間空いてないと身体にアレルギーが出て駄目であるそうな。 親のブランド食料と公称されて、莫大なマネー(恐らく3億円位)が家計にチャージされ、一生働かないで生きれるそうで、牧場以外にも研究所等でも受け付けてるそう。 1週間後、僕は近所のライフサイエンスセンター(研究所がある)にチャレンジした、なんとなく。 その2ヵ月後、仕上がりは丸い目をしたサバだそうだ。 20万円儲かった。 今は受精卵からなのを皮膚の組織からにして生物とは言い難い人工物?を作るんだって。 まあ動物と植物の中間のような。
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