ドアの向こう

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____ __ _ コンビニで缶コーヒーを買い、駐車場の縁石に腰掛けて、頭をかかえた。 追い出されるって、これって、普通は逆じゃないか~。 はあ~、どこへ行けばいいんだ。でも実家には帰りたくない。 和花奈との付き合いというか、同棲は反対されていたし、女に追い出されたって言ったら、姉貴たちの馬鹿した顔が浮かぶ。 大ねぇが腕を組み、女番長さながら、どすをきかせて 「あんた、女見る目が無いわね。私たちがいながら、なんでかしら」 うんうんと横でうなずくちぃねぇとおかん。 お前たちのせいで、可愛らしい感じの和花奈を選んだんじゃないか。 うわ~、やだやだ、オレ。 ずっと……こうしている訳にはいかないし。 そうだ。大学時代からの友人の龍祐のところに行こう。 ここからでも歩いていけるし。 あいつなら、突然でも受け止めてくるはずだ。 慣れた道を行くと、龍祐のマンションに着いた。
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