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昼の1時は、とっくに過ぎていたので、会社員の姿は無く、女性のグループが何組か座ってるだけだった。
メニューを見ると、まだランチタイムらしく、お手頃な値段で、ハンバーグ、オムライス、メンチカツとエビフライのそれぞれのセットメニューがあった。
「オレは、エビフライが入ってるセットで…リュウは、ハンバーグ食わせておけば、文句ねぇだろ。 愛ちゃんは、どうする?」
「オレは、オムライスで」
いつか藍が作ってくれたオムライスを思い出して、自然と口許が緩む。
「わっかりやすいメニューで良かったわ。 見た事ないカタカナが並んでたら、やべぇな_て、焦ってた。 スマートにオーダー出来なきゃ、大人じゃないじゃん?」
「そんな事無いですよ。 あ…でも、哲哉さんのそういう親しみやすい所、好きです」
オレにも聞こえるくらいの音で、水を飲み込んだ哲哉さん。
物凄く咳込んでる。
また、変な事言っちゃったかな?
「……愛ちゃんに言われると…ノンケのオレでも勘違いするわ…」
気管にでも入ったのか、まだ苦しそうだ。
「あの…何かわからないけど…ごめんなさい」
「いいって。愛ちゃんは、悪くない。 周りの人間が、しっかりすればいいだけの事。 ただ…今みたいな事言うのは、彼だけにしとけ」
「…はあ」
その後、店員さんにオーダーしてから、
オレは、トイレに向かった。
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