1 事実と真実

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昼の1時は、とっくに過ぎていたので、会社員の姿は無く、女性のグループが何組か座ってるだけだった。 メニューを見ると、まだランチタイムらしく、お手頃な値段で、ハンバーグ、オムライス、メンチカツとエビフライのそれぞれのセットメニューがあった。 「オレは、エビフライが入ってるセットで…リュウは、ハンバーグ食わせておけば、文句ねぇだろ。 愛ちゃんは、どうする?」 「オレは、オムライスで」 いつか藍が作ってくれたオムライスを思い出して、自然と口許が緩む。 「わっかりやすいメニューで良かったわ。 見た事ないカタカナが並んでたら、やべぇな_て、焦ってた。 スマートにオーダー出来なきゃ、大人じゃないじゃん?」 「そんな事無いですよ。 あ…でも、哲哉さんのそういう親しみやすい所、好きです」 オレにも聞こえるくらいの音で、水を飲み込んだ哲哉さん。 物凄く咳込んでる。 また、変な事言っちゃったかな? 「……愛ちゃんに言われると…ノンケのオレでも勘違いするわ…」 気管にでも入ったのか、まだ苦しそうだ。 「あの…何かわからないけど…ごめんなさい」 「いいって。愛ちゃんは、悪くない。 周りの人間が、しっかりすればいいだけの事。 ただ…今みたいな事言うのは、彼だけにしとけ」 「…はあ」 その後、店員さんにオーダーしてから、 オレは、トイレに向かった。
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