16人が本棚に入れています
本棚に追加
/222ページ
とっとと片づけて、愛梨を送って。
今日は夜勤だから、早めに家事を終えてしまわないと。
(夜勤の間は、鋼鉄のひとの仕事は免除されるのかね)
と、最初は悩んだものだが、何日か連続して、夜に闇の切り裂き作業をしていると、なんとなく分かってきた。
しなければならない、のではなく、せずにおれないのだ。
鋼鉄のひとは、闇の駆除を。
人間が食事をするように、鋼鉄のひとは闇を刃で切り裂くことでエネルギーを得る。
だから、三日ほど夜な夜な繰り出していると、なんとなく満腹感が持続して、体の調子も良いのだった。
つまり、夜勤の間は変化して闇駆除に出る必要はない。物足りなさで苛々することがないよう、夜勤前まで存分に「食い溜め」しておけばいい。
皿を洗い始めたわたしを、愛梨はあきれ果てた目で一瞥した。
リビングのソファに座って、子供番組を見始めている。いつでも出られるから、あとはわたしを待つのみというわけだ。
最初のコメントを投稿しよう!