15センチの先

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15センチって決めていた。その先にいけば……自分を止められそうにないから。 「ねぇ~いつまで寝てるの?起きなよ、遅刻するよ~!」 凛とした声が、夢と現実の狭間で耳をくすぐる。本音は、もうちょい、この眠気をむさぼりたいけど……。 「分かったよ、起きるからさ。ていうか、何回言ったら分かんだよ?ノックなしで入って来んなっつってんだろ?」 俺はベッドの中で半身を起こしながら、ボヤいた。すると、尖らせた口から漏れる不満が聞こえてくる。 「なに言ってんのよ?他人じゃないんだし、部屋ぐらい入ったっていいじゃない」 他人じゃない、か……。 ダメなんだよ、それじゃ。 俺の中じゃ、それ理由にならないんだよ。 「うっせ~な、朝から。今から着替えるんだから出てけよな」 「はい、はい」 諦めたように、部屋から出ていく姉貴。
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