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「……もうっ!久我さんのせいですからね」
「ん?」
「こんなに綺麗なのに……。
指輪。
涙のせいでよく見えなくなっちゃったじゃないですか……! 」
「そうだよね、ごめん」
「……」
「ごめんって。
小夜?もしかして怒ってる?
……あのー、返事は? 」
「怒ってません!
ただ、嬉しすぎて……。
どうしたらいいか分からなくなってるだけです」
すると久我さんは、心底ほっとしたような表情で私を抱きしめ直した。
「そっか」
私は久我さんの腕の中で伝えた。
「まだ夢を見ているみたいで、幸せすぎて。
ちょっとだけ怖いんです。
だから久我さん、もう一度『愛してる』って聞かせてもらえませんか?
それを聞いたら私、改めてきちんとお返事できる気がするんです」
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