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志郎、部室を眺めながら「なんつうか・・こんな活動が、正式な部活と認められるのが、最大の謎だな」
貴、志郎に指差して「そのとおり」
志郎「・・・それって、自慢になるか」
小柄だが、美形だが小柄の少年が後ろから声をかける。秀明「部屋は学校の不要な空きスペース。ここにあるのは、みんな、私物や、学校が廃棄物として雨ざらしになっていた備品をリサイクルしている」
志郎「つまり、予算は一切学校からもらってないってことか」
貴「あ、部長」
英明「3年の東城英明です。OKAKENは、文学部の活動の一環。学校には、SF作品の研究をしているということで、許可を得ている。文学部での肩書きは副部長。君は?」
貴「東天高校からの転校生の江戸崎四郎君です、部長」
英明は、下から志郎の品定めをするように見ながら、言う。「そうか、君が、噂になっているよ。東天から、掃き溜めに鶴というか」
貴「OKAKENに入部希望者です」
志郎「誰がだ」
英明「だと思った。でも、わが校では部活は必須だからね。帰宅組でも、どこかに関は置かなければ成らない。生徒の参加人数で学校から予算が就くから、どの部活も勧誘に必死でね。東天からの君なら、運動系はまだしも、文系の部が黙っちゃ居ないだろう」
志郎「なにげに勧誘していますね」
英明「東天と違って、特に全国大会とかにいくような花形の部活はないからね。どこも毎年予算には困っているのでね。文学部も、年に一度は文集を出したいからね」
貴「OKAKENは、調査報告書。漫研のひいきの印刷屋を共同で使っているのだけど」
志郎「幽霊館高校にオカルト研究部、できすぎだと思うのだけど」
英明「唐突だね、君」
志郎、無表情に言う「俺は、部活に興味は無い。気になるから、聞いているだけだ」
英明「そもそもは、この学校に幽霊が出没する不思議、できればそれが出なくなって平和な学園生活を送れるようにしようということで、学生が自主的に始めたんだ」
志郎「やはり、出るのか?いや、それだけじゃない。出るだけじゃなく、人に”悪さ”をするのか」
英明「”悪さ”の次元ですんでいればいいのだけど」
貴「幽霊のおかげで、人死にが出たといううわさが絶えない。あくまで、うわさだけどね」
英明「毎年というわけじゃないが」
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