緊急幹部会議(前編)

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「遅~い!早く座って!  今から作戦説明するから!」 呼び出しを受けて戻って来たのだが・・・。 九条が燃えている・・・。 燃えると言うよりも・・・、 キレてる? 様子を見るために、 とりあえず黙って座る。 「今回はアリバイを偽証してる社長、  ・・・その二人がターゲットよ!  先ずは社長を一人ずつ呼び出して、  摩子のスタンロッドで気絶させて拉致(らち)。」 はぁ? 拉致(らち)だと~? 「御意(ぎょい)御座(ござ)る。」 何故(なぜ)に摩子の時代劇モードが発動してるのだ? 「待て待て!  何をしようとしてるんだ?」 慌てて止める。 「黙ってて!」 九条が殺し屋の目で俺を睨む。 「うっく・・・。」 その目に(ひる)む俺。 「アンタは運転手だから・・・。」 俺のその様子を見て、 そう俺に告げた後、 視線を外し、 作戦説明を継続し出す九条。 「気絶させた社長を、  タイガーさんと土門が車に運び込んで・・・。」 「おいおい、俺も手伝うのか?」 話を(さえぎ)り師匠が言うと。 「当然でしょ~!  元はと言えばタイガーさんが、  小夜さん連れてきたんだから!  最後まで責任取るのが男でしょ~がぁ~!」 師匠を(にら)()け九条は言った。 「お、・・・おぉ、(わか)った。」 師匠が目を()らす・・・。 女に弱い師匠とは言え・・・、 言い返す事も出来ぬとは・・・。 それを見て勝ち誇る女王のように、 九条はさらに話を続けた。 「拉致したらアジトに運び込んで、  私と先輩で自白(じはく)させる。」 「爪の間に針を刺すのが効果的ね。」 青池は平然と恐ろしい事を言う。 「許可します。」 「許可するな!」 「うっさい!黙れ!」 「・・・ハイ。」 勢いに気圧(けお)された。 九条詩夜璃・・・、 恐ろしい女だ・・・。 「それを凛斗(りんと)が動画撮影して、  その動画を太刀川(たちかわ)先生に渡し、  民事裁判を起こす!  以上よ・・・。」 拉致(らち)・・・。 監禁(かんきん)・・・。 自白(じはく)強要(きょうよう)・・・。 逮捕フラグ立ちまくりですね、ハイ。 「お前ら落ち着け!それは犯罪だぞ!」 (たま)らず俺が言うと。 「それが何か?」 「それが何か?」 「それが何か?」 九条、青池、摩子が俺を、 何かに()()かれてる目で一斉(いっせい)に見る。
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